ブログ 店長日記
焼型鉄瓶の着色仕上げ・おはぐろ
焼型鉄瓶の外側の塗装について
焼型鉄瓶は下地に漆を焼き付け、その上におはぐろ(鉄漿水かねみず)を焼き付けて着色します。
おはぐろとは、鉄片を漬けた酢酸鉄溶液に茶汁を混ぜ合わせたものです。
工房によって独自の配合があると思います。
茶汁の量が多いと黒が強くなり、おはぐろを増やすと赤みが強くなります。
赤茶色を強く出すために、弁柄(べんがら)といわれる赤色の顔料を混ぜることもあります。
火加減や気温・湿度によって変化するため常に同じ色を出すのは難しく、着色の色合いに個体差がございます。
鉄瓶はご使用していくうちに経年により色が変化していきます。
時間の経過と一緒に風合いの変化も楽しんで頂ければと存じます。
- 2024.04.24
- 13:45
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底面の小さな鉄瓶をIHで使用
鉄瓶をIH調理器でご使用される場合、底部の径が12cm以上の商品を推奨しております。
機種によっては12cm以下でもIHに反応します。
動画の鉄瓶は、底部の径が6cmの鉄瓶です。
動画の3口のIH調理器で使用した場合、両サイドの火力の強い口より中央の火力の小さな口の方が反応が良く沸かす時間が早かったです。
参考までに動画をアップさせて頂きました。
底面の小さな鉄瓶には「IHヒーティングプレート」を利用
底面の径が小さくIH調理器に反応しなかった場合は「IHヒーティングプレート」を利用する方法があります。
「IHヒーティングプレート」とは、IH調理器で加熱できなかったアルミ製のフライパン等が使用できるようになるアダプターです。
トッププレートの汚れ防止用の「IHマット」ではありませんのでご注意ください。
「IHヒーティングプレート」というワードで検索しますと色々な商品が出てきますので、ご覧ください。
- 2024.03.22
- 15:14
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鉄瓶内部の変化の仕方
鉄瓶内部の変化の仕方
鉄瓶内部の変化は水源・ご使用方法や環境によって異なります。
湯沸しやお茶を沸かすのに使用した鉄瓶の内側
お茶を沸かすと鉄瓶の鉄分とお茶から出るタンニンが化合して錆の赤色が抑えられます。
湯沸しのみに使用した鉄瓶の内側
湯垢がびっしりと付いています。
2つの鉄瓶は安定していて順調に育っています。
鉄瓶は育てていくものです。
日々使用している鉄瓶が変化していく過程を見守る楽しみがあります。
白湯やお茶を楽しむと同時に、鉄瓶の経年変化も一緒に楽しんで頂ければ幸いです。
- 2024.03.13
- 14:14
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IH調理器で使用時の火力について
南部鉄器とIH調理器は相性がとても良い組み合わせなのですが、ご使用の際に注意事項がございます。
底部が変形・ヒビが入る恐れがあるため火力は中火程度に
200VのIH調理器の最大火力はとても強力です。
強火で加熱しますと、短時間に底部だけに温度変化が生じて、膨張率の違いから変形やヒビが入る原因になります。
なるべく中火程度の火力でのご利用をおすすめします。
クッキングヒーターが3口IHをご使用でしたら、中央の火力が一番小さい口でのご使用をおすすめいたします。
卓上100VIH調理器でしたら、中強火でご使用頂けます。
急須は加熱してご使用いただけません
急須は内側にホーロー加工(ガラス質のコーティング)を施しております。
急須を高温で熱するとホーローが割れてしまう可能性がございます。
加熱してのご使用はお控えください。
- 2024.03.09
- 14:00
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鉄瓶でお湯を沸騰・煮沸する時間について
なぜ鉄瓶で沸かしたお湯は美味しいのか
鉄瓶で水を沸騰させると鉄瓶の内側から鉄イオン(Fe2+)が溶出して、残留塩素と反応して塩素を分解・除去してくれます。
これが鉄瓶で沸かしたお湯は美味しいと言われる所以です。
鉄瓶で水を沸かした時の塩素除去効果は、他の材質で出来たやかんより優秀であると言われております。
ワンポイント
他の素材で出来たやかんで水を沸騰させた時も同じなのですが、水道水は沸騰直後は残留塩素濃度が濃くなります。
沸騰後に10分程沸かし続けることによって、残留塩素が揮散され塩素の匂いが気にならなくなります。
また、トリハロメタンの除去にも10分程の煮沸が必要と言われております。
注意事項
沸かす際には、水量は7~8分目程度でご使用ください。
水量が多いと、沸騰した際に注ぎ口から熱い湯が吹き出し大変危険です。
- 2024.02.28
- 12:37
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鉄瓶の空焚き時間について
鉄瓶をご使用された後はお湯を捨てて、空にしてください。
軽く空焚きして水分を飛ばしてください。
約10秒ほどで中の水分が飛び乾燥します。
夏場でしたら、鉄瓶が熱い状態であれば蓋を外して置いておけば、自然に乾燥します。
空焚きし過ぎてしまった場合は
もし空焚きをしてしまったら、火を止めて鉄瓶の温度が下がるまで放置してください。
熱々の鉄瓶に水を入れると、割れ・ひびの原因となります。
空焚き後は内部が変色し、沸かしたお湯に金気臭がする場合がございますが、ご使用しているうちに治まっていきます。
金気が気になる場合は、お茶を煮だせば改善されますので、お試しください。
- 2024.02.26
- 15:23
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臨時休業日について
いつも当店をご愛顧頂き、誠にありがとうございます。
私事で大変申し訳ないのですが、昨年より家族の者が指定難病を罹ってしまいましたため、病院への付き添いのため月に一度臨時休業にさせて頂いております。
休業日につきましては、ホームページのトップページに載せておりますので、ご確認頂ければと存じます。
また、現在ワンオペレーション体制で営業しておりますため、銀行業務等で席を外している時はお電話に出られない時がございます。
もしお電話をかけても出ない場合は、お手数をおかけしますがメールにてお問い合わせお願いいたします。
メールアドレス:shopmaster@nanbutetsu.jp
ご不便をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。
- 2024.02.24
- 21:20
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ホーロー鉄急須のメリット
近年では鉄分摂取を目的とされる方が多いため、内面ホーロー加工ではない鉄瓶の方が人気になっております。
鉄瓶に茶漉しを付けた鉄瓶兼用急須もございますが、お茶の味が損なってしまうデメリットもございます。
ホーロー鉄急須の魅力とメリット
お茶を純粋にお楽しみたい方にはホーロー急須はお勧めです。
ホーロー加工の急須には下記のようなメリットがございます。
・急須から鉄分が出ないため、鉄分とお茶・お酒の成分が結合せず風味が損なわれません。
・錆を気にせず南部鉄の保熱力で茶葉からじっくり抽出できます。
・水を入れたまま放置できます。
・冷蔵庫に入れてキンキンに冷やしてお酒の器としてもご使用できます。
・耐久性が抜群。うっかりぶつけてしまってもヒビが入りにくいです。
急須内部のホーロー加工
釉薬を高温で焼成して施しています。
茶葉を入れてじっくり抽出
注意事項
・ホーローが割れる可能性が有るため、加熱して湯沸しとしてご使用できません。
・鉄分の溶出はございません。
・内面のホーロー部分は錆びませんが、急須表面は錆が発生します。
ご使用後は乾いた布等で水分を拭き取ってください。
・急須の底に水分が付いたままテーブルの上に直で置くと、黒い輪染みになります。
必ず瓶敷か、輪染みがついても差し支えのないもの(乾いた布等で結構です)を瓶敷としてお使いください。
- 2024.02.22
- 12:38
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ギフトラッピング・のしについて
古希のお祝いにと及富様の鉄瓶 平丸アラレをご購入頂きました。
鉄瓶 平丸アラレ(鉄蓋)黒1.2L ガス・IH対応 700091
商品は化粧箱に入っております。
「古希御祝」の熨斗を作成。
ご注文時に選択できる熨斗は「お中元」「お歳暮」「内祝」「御祝」「寿」となります。
「御結婚御祝」や「新築御祝」などご要望がございましたら、備考欄ご記入頂ければ対応させて頂きます。
熨斗紙は基本的には花結びになりますが、「御結婚御祝」などのご要望がございましたら、結び切りの熨斗紙を掛けさせて頂きます。
化粧箱にラッピングを施し熨斗紙を掛けます。
お贈りされる方にお喜び頂ければ幸いです。
- 2024.02.20
- 09:02
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釜焼き(金気止め)とは
鉄は黒色というイメージを持たれている方が多いかと存じますが、鉄瓶は作りたての状態ですと銀色です。
釜焼き前の鉄瓶
この銀色の鉄瓶が釜焼きの工程によって、内面はグレーに変化します。
釜焼きとは
鉄瓶のサビ防止ための「釜焼き」という工程がございます。
「金気止め」ともいわれます。
約900度の炭火で30~40分焼くことにより、サビ止めの酸化皮膜を形成させる伝統技法です。
釜焼き
900度の熱で焼いた鉄瓶の表面には、酸化鉄(通称「黒サビ」)という細かい粒子でできた膜が形成されます。
この釜焼きの作業によって酸化皮膜を施し、サビにくい鉄瓶に仕上がります。
釜焼きによってグレーに変化した内面
作りたての鉄瓶の使い始めは、沸かしたお湯に剥がれた皮膜が混入する場合がございます。
故障ではございませんので、そのままご使用ください。
また、剥がれた皮膜を飲んでも身体に害はございませんので、ご安心ください。
釜焼きによってグレーに変化した内面に漆を焼付ける技法もございます。
こらちらも古来より伝わる技法で、沸かしたお湯に鉄分が含まれております。
釜焼き後に漆を焼付けた内面
釜焼きの由来
明治時代に盛岡で起こった大火事の際、焼け落ちた工房に残っていた鉄瓶に金気が出ないことから着想を得て、当時の職人が技法として「金気止め(錆止め)」を考案したと伝えられています。
- 2024.02.20
- 09:00
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